Nurslens 看護師の職場を読み解く
介護施設

特別養護老人ホーム(特養)の看護師の役割と働き方

このページでは、特別養護老人ホームについて、看護職員の人数、医師、夜勤の基準をまとめています。夜のオンコールと、加算による夜の職員の配置も載せています。

要点

  • 看護職員の人数(看護師+准看護師)

    【基準】入所者51〜130人で3人以上(常勤換算、うち1人以上は常勤)。入所者の数による人数の違いは、下の表の「看護職員の数」にあります。

    【調査】平均4.2人。(2021・任意回答)

  • 医療の判断

    【見立て】2024年の調査(任意回答)で、医師が常勤換算の平均で0.2人であることから見ると、日中の判断は少人数の看護師が担います。

  • 夜

    【見立て】2021年の調査(任意回答)で、常に夜勤か宿直の看護職員がいる施設が2.6%、看護職員がオンコールで対応する施設が90.0%であることから見ると、夜は看護職員がいない施設がほとんどで、オンコールが一般的です。

基準で決まっていること

16項目

看護職員の数

入所者30人以下は1人以上、31〜50人は2人以上、51〜130人は3人以上。130人を超える施設は、3人に、130人を超えて50人又はその端数を増すごとに1人を加えた数以上(いずれも常勤換算)。うち1人以上は常勤。入所者の数は前年度の平均値

出典: 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第2条

併設のショートステイ

看護職員の数を決める「入所者数」には、併設するショートステイの利用者数を含めない。併設のショートステイの定員が20人以上なら、ショートステイに看護職員を1人以上常勤で置く。空床利用型のショートステイの利用者の数え方は、このページでは扱っていない

出典: 平成12年3月8日 老企第40号 第二の2(3)③老企第40号(別のサイトが開きます)

医師

「入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」。人数の定めはない

出典: 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第2条第1項第1号

夜勤(従来型)

「夜勤を行う介護職員又は看護職員の数」が、入所者等26〜60人で2以上、61〜80人で3以上、81〜100人で4以上。見守り機器などの要件をすべて満たす場合は、この数に10分の8を掛けた数以上。看護職員を夜勤に含める定めはない

出典: 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)第五号イ(1)(第一号ロ(1)(一)を準用)告示29号(別のサイトが開きます)

夜勤(ユニット型)

ショートステイを併設しない場合、「二のユニットごとに夜勤を行う看護職員又は介護職員の数が一以上」。ショートステイを併設する場合は別の定めがある

出典: 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号) 第五号イ(2)(第一号ロ(2)(二)・ロ(1)(二)bを準用)告示29号(別のサイトが開きます)

夜勤職員配置加算(Ⅲ)(Ⅳ)

夜勤の人数を基準より多く置いたうえで、「夜勤時間帯を通じて、看護職員」または、たんの吸引などの実地研修を修了した介護福祉士などを「一人以上配置」する

出典: 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号) 第五号ロ(5)〜(8)(第一号ハ(3)(二)を準用)告示29号(別のサイトが開きます)

24時間の連絡体制

看護体制加算(Ⅱ)を取る施設は、看護職員を常勤換算で入所者25人ごとに1人以上、かつ基準の人数に1を加えた数以上置き、「当該指定介護老人福祉施設の看護職員により、又は病院若しくは診療所若しくは指定訪問看護ステーションの看護職員との連携により、二十四時間連絡できる体制を確保」する。看取り介護加算も、常勤の看護師1人以上と、同じ連絡体制が要件

出典: 厚生労働大臣が定める施設基準(平成27年厚生労働省告示第96号)第51号・第54号(第45号を準用)告示96号(別のサイトが開きます)

「24時間連絡できる体制」の意味

「施設内で勤務することを要するものではなく、夜間においても施設から連絡でき、必要な場合には施設からの緊急の呼出に応じて出勤する体制」。具体例として「夜間における連絡・対応体制(オンコール体制)に関する取り決め」を挙げる

出典: 平成12年3月8日 老企第40号 第二の5(7)④老企第40号(別のサイトが開きます)

【調査】加算を取っている施設の割合

看護体制加算(Ⅱ)は、定員30〜50人の区分(イ)が16.4%、51人以上の区分(ロ)が44.0%。夜勤職員配置加算は(Ⅲ)イ4.3%、(Ⅲ)ロ12.7%、(Ⅳ)イ1.9%、(Ⅳ)ロ6.6%。いずれも請求した8,566事業所に占める割合

出典: 第260回社会保障審議会介護給付費分科会 資料1 p.7(令和7年10月サービス提供分の請求データ)第260回介護給付費分科会 資料1(別のサイトが開きます)

【調査】夜の看護体制の実態(2021年)

施設の看護職員がオンコールで対応する施設は90.0%(電話だけが19.6%、かけつけもするが70.4%)。常に夜勤か宿直の看護職員がいる施設は2.6%。夜勤・宿直の看護職員がおらず、オンコールもない施設は4.9%

出典: 令和3年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける医療ニーズに関する調査研究事業」報告書(日本総合研究所、2022年3月)p.14。5,000施設に配布し、1,583施設が回答した任意回答の調査老健事業の報告書(別のサイトが開きます)

【調査】看護職員の人数の実態(2021年)

常勤換算で平均4.2人

出典: 令和3年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける医療ニーズに関する調査研究事業」報告書(日本総合研究所、2022年3月) p.12老健事業の報告書(別のサイトが開きます)

【調査】医師の人数の実態(2024年)

実人数は平均1.4人で、常勤換算では平均0.2人

出典: 令和6年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおけるサービス提供のあり方に関する調査研究事業」報告書(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2025年3月)p.22。2,000施設に配布し、732施設が回答した任意回答の調査老健事業の報告書(別のサイトが開きます)

【調査】夜の看護職員の実態(2017年)

2017年5〜7月に、常勤の看護職員がオンコール対応をした施設は85.6%、夜勤をした施設は5.2%。8月22日午前2時に看護職員が勤務していた施設は8.7%

出典: 平成29年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける看護職員の役割等に関する調査研究事業」報告書(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2018年3月)p.65〜66・p.275。3,000施設に配布し、1,107施設が回答した任意回答の調査老健事業の報告書(別のサイトが開きます)

【調査】看護職員と医師の実態(2017年)

看護職員は常勤換算で平均4.4人。常勤の配置医師がいる施設は2.7%。医師の勤務は月平均7.1日、1回あたり平均2.0時間

出典: 平成29年度老人保健健康増進等事業「特別養護老人ホームにおける看護職員の役割等に関する調査研究事業」報告書(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2018年3月)p.275老健事業の報告書(別のサイトが開きます)

【調査】施設の平均の規模

定員70.9人、看護・介護職員 常勤換算34.7人

出典: 令和5年度介護事業経営実態調査 第1表(令和4年度決算)介護事業経営実態調査(別のサイトが開きます)

【調査】事業者が看護師1人あたりに給与費として計上した額(常勤・月あたり)

455,491円。月給や手取りではない

出典: 令和5年度介護事業経営実態調査 第1表(令和4年度決算)介護事業経営実態調査(別のサイトが開きます)

給与費は、決算額を12で割った1か月あたりの値です。この調査では、調査票に給料のほか、賞与、法定福利費(社会保険料などの事業主負担)、退職給与引当金を記入します。給与費にどこまで含むかは、結果の資料に書かれていません。求人票の月給や手取りとは別の数字です。

読み解き

看護師の役割

基準と調査

  • 【基準】

    看護職員の基準は、入所者51〜130人の特養で常勤換算3人以上です。

  • 【調査】

    看護職員の数は、常勤換算の平均で4.2人です。(2021・任意回答)

  • 【調査】

    医師の数は、常勤換算の平均で0.2人です。(2024・任意回答)

ここから言えること

  • 【見立て】

    医師の勤務が常勤換算で0.2人分であることと看護職員の人数から見ると、日中の健康管理や、急変したときの最初の判断は、少人数の看護師が担います。

夜とオンコール

基準と調査

  • 【基準】

    夜勤の人数は「介護職員又は看護職員」で数えるため、夜は介護職員だけでも基準を満たせます。

  • 【調査】

    常に夜勤か宿直の看護職員がいる施設は2.6%で、看護職員がオンコールで対応する施設は90.0%です。(2021・任意回答)

ここから言えること

  • 【見立て】

    夜勤の基準と2021年の調査の数字から見ると、夜に何かあれば介護職員から看護師へ電話が入る形が一般的です。

確かめること

  • 求人票に「夜勤なし」とあっても、オンコールを受け持つことがありえるので、応募する勤務の条件で確かめます。

加算と夜の職員

基準と調査

  • 【基準】

    看護体制加算(Ⅱ)の24時間の連絡体制は、訪問看護ステーションなどとの連携でも満たせます。

  • 【調査】

    看護体制加算(Ⅱ)を取っている特養は、定員の区分を合わせて約6割(16.4%+44.0%)です。(2025年10月・請求データ)

ここから言えること

  • 【見立て】

    告示の文言では連携でも連絡体制を満たせるため、加算を取っていても、自分の施設の看護師がオンコールを受け持つとは限りません。

基準と調査

  • 【基準】

    夜勤職員配置加算(Ⅲ)(Ⅳ)を取る施設は、夜通し看護職員か、たんの吸引などができる介護職員を1人以上置きます。

  • 【調査】

    夜勤職員配置加算を算定した特養の割合は、(Ⅲ)イ4.3%、(Ⅲ)ロ12.7%、(Ⅳ)イ1.9%、(Ⅳ)ロ6.6%です。(2025年10月・請求データ)

ここから言えること

  • 【見立て】

    加算の要件は、看護職員でも、たんの吸引などの研修を修了した介護福祉士などでも満たせるため、加算を取っている施設でも、夜通しいる1人が看護職員とは限りません。

求人票と面接で確かめること

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出典を確認した日: (一部は2026-10-10)